愛のまなざしを
愛するほどに奪われていく
妻を亡くしたことで、もう二度と誰も愛せないと思いつめ、生と死のあわいをさまようように生きる精神科医の前に現れたのは彼を救済するかのような大笑みをたたえた女だった
堰を切ったように女におぼれていく男、愛を求めつづけてもだれからもかえされることなく孤独の果てをさまよってきた女。
二人はそれぞれの日常を捨て、激しくお求めあうしかし女には別の顔が存在した
愛なのか憎しみなのかもはやその区別さえ失ってしまった境界線に生きる男女の物語は
執着と嫉妬にまみれ始めるのだった